令和6年5月 今月のことば
里親の認定を頂いて14年目。
里子さんに対して一生懸命養育させて頂こうと励んでいる。
里親になって間もない頃、児童相談所の職員が実施する子育てプログラムを受ける機会を得た。
それは、アメリカ発のCSP「コモンセンスペアレンティング」だ。
いくつかのスキルを順序良く数回トレーニングを重ねて行く。
「なるほど」と思いながら、学んだ。学ぶだけでなく実際に学んだことを実践した。
結果、うまくいったこともあったし、正直上手くいかなかったこともあった。
当然と言えば当然である。しかし、私自身が育てて頂いた時代は、どうだったのだろう。
私が長男で弟が2人の男3人兄弟。子育てプログラム?ってイメージではなく、毎日毎日外で走りまくっていた。
学校の校庭だって、神社だって、最高の遊び場だった。
そんな私が習うのだから、目からうろこだった。
生まれて初めて学んだこと、知りえたことがあったことは確かだ。
里子さんの養育に役にたった場面が多々あった。逆に、知らなければどうなったのだろうか?
ところが、数年後このCSPプログラムが、著作権をもっているアメリカの団体からの要望で簡単に行えなくなった。
変わって登場したのが、イギリス発のFCP「フォスターリングチェンジプログラム」だ。
これも、頑張って受講した。
テキストは日本語だが、教材として使われているビデオは英語の語りと字幕。
日本人の生活習慣とは離れた感じ。
我々の日常生活の中で取り入れるのは、かなり難しいという感じを受けた。
グループワークなので里親同士の話し合いの場が出来て良かった面もあった。
毎回長距離を通っての受講だったので、いささか大変だったが、最後まで出来て良かった。
2つの子育てプログラムから、子育てにはスキルが必要だという事が分かった。
現在私がライセンスを得て行っているプログラムは、CPA「ss式イライラしない子育て法」だ。
このプログラムに出会えたことにとても感謝している。
知り合いから教えて頂き、受講してみた。
名古屋市にある「青少年育成センター陽氣会」が管理運営しており、その代表をつとめる杉江健二先生の迫力や話術には人をひきつける魅力がある。
ところで、なぜ子育てプログラムを学ぶ必要があるのか?
それについて、この代表の杉江先生が出版している本からの抜粋である。
自動車運転と子育て
もし、あなたが自動車教習所に通うこともなく、ある日突然、車を与えられて、「今日からこの車を運転しなさい」と言われたらどうでしょうか。 (中略)どれがアクセルでブレーキかも分からず、ウインカーの出し方すら知らずに車を運転したら、事故に遭う可能性は極めて高くなってしまいます。もちろん私たちはそうならないために(中略)自動車教習所に通い、正しい車の乗り方、扱い方や交通ルールを習います。 しかし、車よりもっと扱い方(育て方)が難しいにも関わらず「子どもを育てる(しつける)」方法については、全く学ぶ機会もなく私たちは親になるのです。 その結果、(中略)子育てにおけるさまざまな問題への対処の仕方が分からず、イライラしたり、怒鳴ったり怒ったりするだけの子育てに陥ってしまうことが多々あるのです。 私は常々、「子育てを学ぶ時代」が来ていると申し上げています。これからの時代は、親が子育てに関する最低限必要な養育技術(コツ)や知識を学ぶ必要があるのではないでしょうか。 社会・コミュニティにおける関係性がますます希薄になっていくなかで、できるだけ「孤育て」に陥らないように、さまざまな「子育て支援拠点」「子育て支援機関」などの社会資源と繋がっていくだけでなく、(中略)今後はいろいろな子育てに関する講習会や市や区などが主催する「子育て講座」などを通じて、子育てのコツ(養育技術)を学び、自らが養育力を向上させていく必要があると感じています。
【イライラしない子育て 杉江健二著 桜山社】より
私は、現在主に里親に対する研修会の講師としてこのCPAを使い、「イライラしない子育て講座」を開催している。
須坂市の出前講座(生涯学習センター)の講師としても登録してあり、市内全戸配布されている。
登録して間もなく、コロナ禍に陥り、開催が難しい時が続いた。
しかしながら、皆さんもご存じの通り、「ZOOM」というアプリがありリモートで会議等行われることが定着してきた。
この子育て講座もリモートで開催することが出来、何回か開催できた。
また、私自身のスキルアップの為の講座も名古屋の事務所まで行くことなくオンラインで毎回受講できる。なんと、ありがたいことか。
この子育てプログラムだけではなく、ひきこもりや不登校支援や、発達障害についての研修も毎月受講出来ている。
学びの場が、こんな形で出来るようになるなんて想像もしてなかった。
さて、私は毎月、奈良県天理市の天理教教会本部で勤められる月次祭には、欠かさず参拝させて頂いている。
これも、コロナ禍は、大変だった。中には、リモートで参拝できないかなど、問い合わせがあったようだ。
結果それは、叶わなかった。
距離がある地域、ましてや海外の信仰者からすれば、リモートでの参拝もありがたいと思う。
信仰的な話だが、祭典の参拝はリモートでは意味がないとも思うが、まだまだ議論の余地はあると思う。
なかなか教会本部へ行くことが出来ない分、有名な先生方の講話等かなりの本数がSNS上にアップされている。
これは、とても良かった。
当教会祭典後は、約3年間(感染症対策)はアップされている講話をテレビ画面で見ながら聞かせて頂いた。
コミュニケーションツールの一つの方法として、リモート活用はこれからもっと必要になってくるだろう。
諭達第四号に
「教祖お一人から始まったこの道を、先人はひながたを心の頼りとして懸命に通り、私たちへとつないで下さった。」
とある。改めて重く受け止めたい。
長年かけて今日までつないで頂いたこの教えを、地道に後進(子育て)へ伝える事が、これから、益々大事になる。
利便性の高いリモートと古臭い地道さと合わせて両輪で歩んでいきたい。
0コメント