令和6年8月 今月のことば

7月27日から8月4日まで奈良県天理市で天理教教会本部主催の

「こどもおぢばがえり」が開催された。

毎年、夏休み期間のこの時期に開催される恒例の行事である。

日本全国のみならず、世界中から大勢の子供たちを迎え

約15万7千人の帰参者(参加者)があった。

この行事は、天理王命(てんりおうのみこと)様が

お鎮まりくださるところである「ぢば」で開催される。

天理王命様を「親神様」とお呼びしている。

親神様は、人間が陽気に暮らす姿を見て共に楽しもうと

思召されて人間をお創り下さった。

親神様は私たち人間の親であり、親神様から見れば人間は兄弟姉妹である。

親神様がお鎮まり下さる「ぢば」は、人間の親がいらっしゃるところであり

ふるさとである。

このふるさとに里帰りすることから「おぢばがえり」と言っている。

特にこの期間は、夏休み中の子どもたちを対象として

おぢばに帰ってもらうので「こどもおぢばがえり」と呼んでいる。

工夫を凝らした行事などを通じて

「生きるよろこびを味わいます」「ものを大切にします」「仲良くたすけあいます」

の“三つの約束”を身につけることを目指している。

親神様は、一人でも多くの子どもたちがおぢばに帰ってくるのを

楽しみにされていて、楽しく過ごしてほしいと思召されている。

この親心にお応えすべく、受け入れ側は行事開催のために

暑さをいとわず準備をし、笑顔で子どもたちを迎える。

そして全国、世界中の子どもたちは親神様にお会いし

日々のお礼を申し上げ、三つの約束を守ることをお誓いするため、おぢばがえりをする。

親神様はその心をお受け取りくださり、ご褒美を下さる。

そのご褒美は決して目には見えないが、私達に生きる喜びをお与え下さる。

また、真柱様(天理教少年会長様)からは目に見えるお土産をいただく。

子どもたちは目に見えないご褒美と、目に見えるお土産の2つを持って

それぞれの家に帰っていく。

ところで、子どもたちが夏休みの期間を利用しての行事は

遊園地や楽しい行事が沢山ある。家族で旅行も楽しい。

また、その先々で普段味わえない美味しい食べ物がある。

コロナ以前は大盛況で何の制限もなく行われていたこどもおぢばがえりだが、

コロナの影響で4年ぶりの開催となった昨年に続き、縮小しての内容だったと感じた。

しかし参加してみると、縮小というマイナスを埋めようとする姿が随所で見られた。

たとえば、「アチコチランド」という行事会場では、

いわゆる「回し車」(まわしぐるま)の様なアトラクションがあった。

ハムスターホイールとも言うが、それに見立てて直径2メートルくらいの

空気で膨らませた円形の車をプールの上に浮かばせて

その車の中に子どもたちが2,3名入る。

子どもたちは、ハムスターの様に一生懸命走る。

が、そんなに速くはないためパワーが足りない。

だが回り続けている。

実は、その車を高校生や大学生の学生さんたちが手動で回している。

子どもたちは、とても楽しそうだ。

こんな遊具はコロナ前では考えられないほど本当に素朴な遊具である。

こどもおぢばがえりしかしながら、若い学生さんたちがこの暑い最中

笑顔で子どもたちを楽しませようとしている姿が、目に留まった。

もちろん、学生さんたちが頑張っている姿は、コロナ以前も変わらない。

しかし、遊び道具一つとっても縮小していると感じさせる中

それを上回るスタッフの姿勢や工夫が、子どもたちを楽しませ、喜ばせている。

教祖は、おぢばに帰ってくるものに対して、喜ばさずには返されん。

と仰っている。

その親心を胸に、教祖に代わってスタッフや学生さんたちが精一杯

子どもたちを喜ばせようとしている。この姿が、陽気ぐらしそのものである。

教祖140年祭へ向かう道中、こどもおぢばがえりで感じ

教えて頂いたことを糧とし、親心をもって年祭活動を続けて行きたい。

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