令和7年7月 今月のことば

先日「里親カフェ」と言う場に出席した。

「里親カフェ」とは、里親制度普及と里親のなり手をリクルートする活動の一環である。

今回は、飯山市内の会場で行われた。

数か月前から地域の市報や回覧板などで広報している。私たちも夫婦で、体験談を話した。

参加者は、3名プラス児童相談所職員、里親支援専門相談員が同席していた。

最初に、スライドを使っての制度説明があり、休憩を挟んで私たちの出番となった。

司会の相談員さんからの質問を受けながら、30分程度話をした。

平成28年の児童福祉法の大きな法律改正があり、

「新しい社会的養育ビジョン」が発表された。

それは、「家庭養育優先の原理とパーマネンシー保障」の2つが大きな柱となった。

戦後、戦争孤児たちをお寺などが保護し預かった。

その後、その寺などは養護施設となり今もなお、社会的に貢献している。

この法律改正は、施設養護から家庭養護つまり里親委託を優先するものである。

現在日本において、4万人を超える社会的養護のもとで暮らす子どもたちがいる。

長野県においては、約470名を超える子どもたちが、施設や里親家庭で暮らしている。

まだまだ、より多くの里親家庭が必要となっている。

先述の「パーマネンシー保障」との聞きなれないカタカナ、

横文字を聞いたことがあるだろうか。AIに聞くと、

「パーマネンシー保障とは、社会的養護下の子どもたちが、安定した環境で

継続的に養育されることを保障する考え方です。これは、単に施設から里親へ、

あるいは家庭復帰させるだけでなく、子どもにとって最も良い環境で、

将来にわたって安定した生活を送れるようにすることを意味します。」と答える。

昨年、元厚生労働大臣の塩崎恭久(やすひさ)さんの講演を聞く機会があった。

塩崎さんは、現役を退いたのち里親登録をし、現在も活動している。

塩崎さんが大臣在任中に、この大きな制度改革を打ち出した。その目的は、

「こども真ん中」社会へのパラダイムシフトだ。

つまり「保護のパラダイム(施設養育)」から

「養育のパラダイム(里親など家庭養育)」との理念に基づいている。

それは、家庭的な養育の中、子どもの最善の利益を考えながら、

安定した環境で継続的に養育されることを保証することを目指すものだ。

今年の4月より「長野県社会的養育推進計画(後期)」がスタートした。

里親制度の普及促進は、喫緊の課題となっている。

今年も何回か地域を変えて里親カフェが開催される。

機会があれば、ぜひ、参加してみて頂きたい。

さて、天理教の神様は、天理王命(てんりおうのみこと)と申し上げる。

普段は親しく「親神様」と呼んでいる。なぜならば、天理王命は、

「私たち人間が陽気にくらす姿を見て共に楽しみたい」と思召されて、

人間をお創り下された。創造の親であります。そうであれば、

親のもとでは人間は皆兄弟姉妹であります。

きょうだいなら助け合う。互いに立て合いたすけ合う姿を

陽気ぐらしと教えて頂いております。

里親活動は私たちにとって、互いに立て合いたすけ合う

きょうだいとしてのたすけ合いであります。親神様と共に楽しみながら

養育する事が、こころの底にある思いです。

もう一度初心にもどって子どもたちと共々に楽しい生活を進めたいと改めて思う。

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